■ダンジョンの歴史
今から40年程前、グノス王国の北の端に位置するぺティの森で、
奇妙な生物が捕らえられた。
その生物は、すぐに王に献上され、学者たちが調べたが、
どの文献にもその生物のことは載っていなかった。
(後にゴブリンと名付けられる。)

王は、ぺティの森に調査隊を派遣した。
調査隊は森で様々な新種の生物を発見。
そしてそれらは、すべてある洞窟から発生していることを突き止めた。
王はすぐに洞窟に第二次調査隊を派遣する。
第二次調査隊は、何度か、中にいた新種の生物たちに襲われ、約半数の隊員を失うことになる。
その為、調査を途中で断念した。

しかし、彼らの調査で、洞窟は人工的に作られた形跡が多数あること、多数の新種の生物がいること、
そして、この洞窟が日に日に巨大化していること、などが分かった。
また彼らは、未知の金属など多数の不思議な物品を持ちかえった。
王は、本格的な調査団の派遣を決定。
以後10年間に36の調査団を派遣したが、
結局、途中で中にいる生物に襲われるなどして、いずれも失敗に終わった。

グノス王国の宰相(当時)、エルドラは、洞窟を冒険者達に開放することを王に進言する。
王立アカデミー学長(当時、現在理事長)、ダリアは反対するが、王は宰相の進言を受け入れ、
冒険者、及び民衆に洞窟を開放した。
(この時王国は慢性的な財政難であった為、新たな産業を必要としていた。)

開放された洞窟には、各国から冒険者が詰め掛け、冒険者相手の商人や職工がやってきた。
以後の30年間でぺティの森はグノス第2の都市に生まれ変わった。

そして今でも、冒険者、商人、職工たちがこの街に集まってきている。

■エクセア教会
エクセア教は、グノスだけでなく、西方諸国全般に信者をもつ教会である。
アラニアにいる教皇を頂点としたピラミッド型の組織になっている。

今より100年程前までは、教会の力は絶大で諸国の王をはるかに凌ぐ力を有し、
各国に大きな影響を与えていたが、東方異教徒征伐の失敗、異端者弾圧などにより、しだいに影響力を弱めていった。
しかしながら、その力はまだ強く、各国の王も無視できない存在である。
教皇も影響力回復のため様々な方法で立て直しを計っている。
民衆の指示を取り付けるために貧民救済組織、聖エクセア教団を作ったり(後に教皇と対立し破門)、
各国の戦争の調停(琥珀戦争、グノス海戦、フタール紛争など)を引き受けるなど。

しかし、あまりうまくいっていない。
(エクセア教は一神教。戒律で殺人、泥棒、淫行、離婚、同性愛などは禁止されている。)

■マナとフェルマー予想
聖石と言う石は、魔石という黒い石に近づけると、突然光を放ち始めることはよく知られていたことだったが、
それがなぜ光るのかは不明であった。

今より180年ほど前、フェルマーという学者は、空気中には未知のエネルギー体が存在し、
魔石はそれを集める作用があり、聖石はそれに反応して光だすことを発見した。
フェルマーはこのエネルギー体を『マナ』と名付ける。

また、フェルマーはエクセア教の聖書にかかれている一説、
『神が奇跡を起こすとき、聖石が光り出す。』
に注目し、奇跡と呼ばれる現象は神ではなくマナが起こすものだという仮説をたてる。
(フェルマー予想)

しかし、この仮説がエクセア教会の逆鱗に触れ、異端審問にかけられてしまう。
フェルマーは審問でも自説を曲げず、結局、処刑されてしまった。
(この時、教会側はマナの存在も認めようとしなかった。
 そのため、フェルマーは「それでもマナは存在する!」と司教を怒鳴りつけたという)

教会の圧力によりマナは、以後数十年間、研究が禁止されていた。
東方異教徒征伐などの失敗により教会の影響力が低下すると各国の学者たちはマナに関する研究を再開した。
マナの研究は以後活発に行われるが、現在においてもフェルマーの仮説は、立証されてはいない。